「天災は忘れた頃にやってくる」と言いますけど、さまざまな人たちが暮らしているなかで、災害発生のとき地域の人たちや事業者はどうすればいいのでしょう?そんな記事を投稿します。
「備えあれば、憂い無し」 でも住民は難しいことばっかり
ざっくり言えば、事業者は事業継続計画(BCP)を作っておき、対策手段を運用する!となります。
では、そこに住む人たちとなると、当方は「避難指示に従って非常持ち出し袋を持って避難所へ行く」ぐらいしか正直思っておりません。また、避難指示と避難勧告ですら見直されたらしい程度の認識です。
【住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち」】【「自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとる」ことが重要です】との記載もあります。揚げ足取りではないですが、自ら避難の判断をとなっています。
ただ「天災は忘れた頃にやってくる」ので、当方はいつも準備や対策を十分にできていることはなく、仕事中、運転中、睡眠中など、状況も変わってくるので、自ら避難の判断は、そのとき考えるしかない≒何も考えないとなってしまってます。
ただ、そうも言ってはいられない
当方、町役場勤務を10年ほどしましたが「よくわからんことは、なんでも役場が考えればいい」とよく言われました(笑)。ただ「天災は忘れた頃にやってくる」ので、よくわからん避難行動には、この意見もある意味正しいです。
そうすると「そのとき考えるしかない」では、厳しすぎるので市町村はどうすれば?となります。
振り返ってみる
消防・防災担当でなかったですが、おそらく15年ぐらい前に〇〇町地域防災計画を策定したあやふやな記憶があります。地域防災計画は「災害対策基本法」によって策定されていて、基本的には「市町村防災会議」によって都度都度修正をしていたと思います。
第一条(目的)「この法律は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定めることにより、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もつて社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。」
なお、第三条(国の責務)、第四条(国の責務)、第五条(市町村の責務)があります。
ちゃんと市町村にはやらなければならいことがあるのです。
避難行動要支援者とは?
こういったことを書いていると、具体的な活動に繋がる”避難行動要支援者”には、触れせざるをえないです。
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/youengosya/r3/pdf/202105gaiyou.pdf
災害において高齢者や障碍者が犠牲となっており、災害における全体の死者のうち65歳以上の高齢者の割合は高いそうです。自ら避難の判断で行動するだけではなんともならない人たち「避難行動要支援者」を円滑かつ迅速に避難する支援する体制づくりが急務です。
具体的には「避難行動要支援者」の名簿を備え、緊急時には「避難行動要支援者」の安全確保を図り、安否確認、救出・救助、情報提供、避難誘導等を地域全体で行ます。「避難行動要支援者」がどこにいるのか?どう支援するのか?を関係部局で共有して、迅速に効果的な活動をしよう!です。
総務省の資料から市町村の現状が見えます
調査結果を掻い摘むと、避難行動要支援者名簿はほぼできている(99.2%)。情報共有先はまちまちなので積極的に情報共有を行ってほしい。今後は「個別避難計画の作成」の準備をすすめてほしい(未策定33.4%)。なお、個別避難計画は、名簿掲載者ひとり一人の避難場所、避難方法や避難経路等を決めておく、つまり名簿情報拡充というイメージです。
なお、上記では個別避難計画の作成に地方財政措置が拡充されるとのことで、財源はある程度確保されています。ならば、市町村ご担当者様には実効的な個別避難計画作りを頑張ってほしいと思ってます。
まとめ
「避難行動要支援者名簿」について近隣自治体担当者さんとお話する機会があったので”悩み”を簡単に紹介します。
- 避難行動要支援者名簿の更新のタイミングはいつかわからない
- 平常時の情報共有先をリアルタイムにできない
- 個別避難計画の作成は大変そう
これらは「避難行動要支援者名簿」の情報をどのように維持するか?です。掲載者も転入転出しますし、亡くなることもあります。これらの動きは転入転出届等を受付ける窓口では住民基本台帳へ更新をしていますが、その動き消防・防災担当はどのように知るのか?どうやって「避難行動要支援者名簿」に反映するのか?どうやって関連部局へ通知するのか?ということと思います。
あと、個別避難計画では、何を情報管理するべき?です。簡単な名簿であれば表(Excel等の活用も?)でも良かったかもしれませんが、避難場所、避難方法や避難経路等となると一人づつの調書が必要そうで一筋縄にはいかないかもです。
おまけ(こんな情報をお持ちであれば)
避難経路等は地図で扱うと具合いの良い情報なので、お気軽にお話しいただければ幸いです。地図・位置情報活用のご相談はGISコンサルタントまで!です。
こんなお話を、2月24日開催の防災フェアでの発表しますので、以下もぜひご覧ください。