高齢化の実態を知る(地域格差を知って対策する方法)

高齢化社会を生き抜くには、まず高齢化社会とは何ぞや?を考えなければなりません。

答えは。。。定義としては高齢化率が7%を超えた社会のことです。これは、1956年の国連報告書において、65歳以上を高齢者と位置付け、当時の欧米先進国の水準を基にしながら、仮に、7%以上を「高齢化した」人口と呼んだことが始まりらしいです。一般的に、高齢化率が14%を超えた社会を高齢社会、21%を超えた社会を超高齢社会と呼んでいます。

詳しくは以下のサイト「健康長寿ネット」も見ていただきたいですが、従来の医療制度、老人保険制度では対応しきれない状況が発生し、高齢者と若年者と異なった立場で取り組むような必要性も生じてきます。高齢者をうまくにサポートできるかが社会をつくるということと思います。例えばインフルエンザ予防接種費用の公費助成を高齢者に推進し、重症化させない・減らすことで円滑な医療体制を維持するというようなことです。。

では、今の日本はどうなっているの?

高齢化社会の実態を見るために今回は国勢調査の結果から見てみようと思います。国勢調査は人口や世帯の総数だけではなく、調査された様々な属性についても集計されます。その結果は民間企業や研究機関でも広く利用できるものですので、年齢の属性を利用すれば総人口との比率から高齢化率、世帯人員と65歳以上の世帯員数を利用すれば、世帯人員1名であるような「高齢単身世帯」や 世帯人員2名であれば「 高齢者のみ世帯(ほぼ高齢者夫婦)」などが分かります。

国勢調査結果は多種多様な属性で集計されますので、地域を眺める(分析する)には、真っ先に見るデータですね。

国勢調査は、日本に住んでいるすべての人と世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、5年ごとに実施されます。国勢調査から得られる日本の人口や世帯の実態は、国や地方公共団体の行政において利用されることはもとより、民間企業や研究機関でも広く利用され、そのような利用を通じて国民生活に役立てられています。国勢調査では、年齢別の人口、家族構成、働いている人や日本に住んでいる外国人などの結果を提供しています。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200521

今回は県別で地図表示して俯瞰します

2021年11月30日公開の国勢調査結果のデータを利用します。人口等基本集計(主な内容:男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態,母子・父子世帯,国籍など)として198件のデータを取得できます。

人口が集中している都道府県はどこ?(人口密度の可視化)

人口総数は県面積にも依存があるので人口密度を表示します。色塗りは1,000人/㎢はグレーで多くなるにつれて色を濃くしています、1,000/㎢以上も同様ですが赤を使用しています。

以前にも書きましたが、相変わらず人口の偏りも社会問題ですね。地域格差を踏まえた社会システムでなければですね。

図A 県別の人口密度

高齢者の多い都道府県はどこ?(高齢化率の可視化)

世帯の種類は一般世帯と施設等の世帯がありますが、ざっくりといきます。
一般世帯の65歳以上人員数/人口総数を便宜上の高齢化率として表示しました。 色塗りは割合が高くなるにつれ赤色を濃くしています。ちなみに30%を超えている都道府県は、大分県、富山県、、長崎県、愛媛県、徳島県、新潟県、青森県、和歌山県、岩手県、山形県、島根県、山口県、高知県、秋田県です。最も低いのは沖縄県です。

順番は気にすることはないと思いますが、大きく見れば東北・北陸・四国・中国地方が高めのようです。上記の人口密度の相関がありそうですし、就学就業で関東・関西・中部等へ転出していることと誰もが想像するところと一致する気がします。どのような対策がなされているか等の分析を深めませんが、経年状況も含めて詳しく分析がしたいところです。

図B 高齢化率( 一般世帯の65歳以上人員数/人口総数 )

高齢者の単身世帯と高齢者夫婦のみの世帯 (高齢者支援の可視化)

最後に高齢者がどのような危機に面しているかを見てみます。ここでは世帯人員1名であるような「高齢単身世帯」や 世帯人員2名がともに高齢者であるような「 高齢者のみ世帯(ほぼ高齢者夫婦)」を見てみます。 色塗りは割合が高くなるにつれ赤色を濃くしています。

図C 単身高齢者世帯(一般世帯の65歳以上が一人の人員数/ 一般世帯の65歳以上人員数 )
図D 高齢者夫婦のみ世帯 (一般世帯の65歳以上が一人および二人の人員数/ 一般世帯の65歳以上人員数 )

図Cと図Dを見て、皆さんはどのように考えるでしょうか?

高齢化率は低くても 「高齢単身世帯」や「 高齢者のみ世帯(ほぼ高齢者夫婦)」 が多い東京都、高齢化率、「高齢単身世帯」や「 高齢者のみ世帯(ほぼ高齢者夫婦)」 も総じて比較的高めの北海道や鹿児島。。。

どうしてこうなってきたのかは地域それぞれであるのでしょうが、結構な”格差”があります。

出展

上記、地図は以下を株式会社マップクエストが取得し加工したものです。

<属性データ>
e-Stat 統計でみる日本(国勢調査 令和2年国勢調査 人口等基本集計 (主な内容:男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態,母子・父子世帯,国籍など) 2020年10月)(総務省統計局)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200521&tstat=000001136464&cycle=0&year=20200&month=24101210&tclass1=000001136466&tclass2val=0
2021年12月9日取得
・男女別人口,世帯の種類別世帯数及び世帯人員並びに2015年(平成27年)の人口(組替),2015年(平成27年)の世帯数(組替),5年間の人口増減数,5年間の人口増減率,5年間の世帯増減数,5年間の世帯増減率,人口性比,面積(参考)及び人口密度-全国,都道府県,市区町村(2000年(平成12年)市区町村含む)
・世帯人員の人数別65歳以上一般世帯人員-全国,都道府県,市区町村

<地図データ>
国土数値情報(行政区域データ)(国土交通省)
2021年11月25日取得
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N03-v2_3.html

まとめ

地域の歴史的背景や経済事情はによってもたらされた状況と思います。ここもなぜ?なのですが、持続的な社会に必要なのは、この状況に対する方法は?です。つまり地域がどのように対応するか?準備するか?ではないでしょうか?

災害が発生したとき等を考えると、世帯人員に若い人がいれば、なんらかの対応力はあると考えることはできますが、これら 「高齢単身世帯」や「 高齢者のみ世帯(ほぼ高齢者夫婦)」 では厳しいものがあります。行政や地域の支援がどうしても必要になります。そして、行政だけでできる人海戦術では到底対処できない状況を想定するとき、民間事業者が提供するサービスが最適に活用されることが大切になってきます。

産学官が一体となって取り組まなければ課題であると思っています。

おまけのおまけ

エリアマーケティングの落とし穴というわけではありませんが。。。

愛知県の高齢化率は23%でした。ただ当方が地方公務員をしていた愛知県東三河の自治体は46%でした。
地域分析するエリアマーケティングする際には、広域的に見ることと狭域的に見ることが必要です。

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