2021年にリリースされたアプリ”TouchOSC”は、PCやスマホ、タブレットをMIDIコントローラに変える魔法のアプリです。UIコンポーネントの配置や送受信するMIDI/OSC信号の高いカスタマイズ性が特徴で、音楽ソフトを中心として様々なアプリ・デバイスのコントロールが可能です。詳しくは次の公式サイトをご覧ください。
MIDIとは要するに音楽に特化したデータ通信のプロトコルで、音程やベロシティ、コントロールパラメータ等を送受することが特徴です。ついでに、TouchOSCはその名の通りOSC(Open Sound Control)というプロトコルもサポートしています。OSCはMIDIに比べて採用が少ないですが、扱えるデータがMIDIより広範で汎用的になった印象です。
MIDIコントローラの活用例
MIDIコントローラはMIDI信号を送受信するわけですが、それで何が実現できるのでしょうか。例をいくつか挙げてみます。
- 作曲ソフトで音符を入力したり演奏したり、シンセサイザのパラメータを操作する
- DJソフトで音量・テンポ・イコライザ等を操作して曲をつなぐ
- シェーダのパラメータを外部から操作する(参考記事:KodeLifeで書くGLSLシェーダは楽しい① ~紹介編~)
- Web MIDI APIでブラウザと通信する(現時点では主にChromiumブラウザのみ対応)
音声・映像メディアがメインですが、個人的にはMIDI入出力を扱うライブラリを使ったアプリ開発も見逃せません。ハードウェアコントローラならフィジカルな操作が可能ですし、TouchOSCなら用途や対象アプリに完全にフィットするインタフェースで操作できます。
TouchOSCの機能
TouchOSCは前述の通りカスタマイズ性の高いMIDIコントローラアプリなのですが、実は10年ほど前にも同じ開発チーム(hexler.netさん)によって同名のアプリがリリースされています。よってここでは主に新機能を紹介していきます。
- 様々なUIコンポーネントを自在にレイアウト。しかもアプリ内でレイアウト可(New!)
- 驚異のクロスプラットフォーム。 Windows / macOS / Linux / iOS / Android 対応(デスクトップはNew!)
- UIやMIDI/OSC出力信号のスクリプト制御(New!)
- マウス・タッチ・ジャイロ・加速度・ゲームパッド入力を受け付ける(タッチ以外全部New!)
他にも胸躍る機能が数多くありますので、是非公式をチェックしてください。ちなみにTouchOSCは有料アプリ(10ドル~2480円)ですが、デスクトップ版は機能制限なく試用可能です。
まとめ
主にメディア系の制御において強力なTouchOSCを簡単にご紹介しました。記事タイトルで「理想のMIDIコントローラを作ろう」と言いつつ今回は作っていませんが、今後「オリジナルシンセサイザを簡単に作ってみた」や「Web MIDI APIを試してみた」といった記事で伏線を回収していきますのでお見逃しなく。