GIS検討3つの外せないポイント

この記事は加筆修正の上、以下に移転しました

GISの検討には、ちょっとしたクセがあるので気をつけてね

GISの導入は、一生にそう何度も経験することではないでしょう。今回は、官公庁や地方自治体、民間事業者500社以上で使われているGISを支えるGISメーカー、そしてGISコンサルタントの立場からGIS検討において必ず押さえておきたいポイントを整理しました。

written by 澤田 

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この記事はこんな方にオススメです
  • GISの検討をはじめたばかりの方
  • GISの導入にあたり検討すべきポイントが分からず困っている方
  • すでにGISを利用中だが不満のある方、そして乗り換えを検討している方

1.目的は明文化されていますか?

まずはGISを使うメリットを具体的に書き出してみましょう。

よくあるメリット

  • 顧客を地図上に表示すれば、近くにある顧客がすぐにわかる
  • 訪問する顧客へのナビゲーションができる
  • 訪問した顧客を色で区別して、もれなく訪問忘れがなくなる

ここでは、収集配送業務を例にとって解説していきます。

日頃から地図を見ながら行う収集配送業務では、「紙の地図がデジタルになれば効率化するだろう」と検討を始められる企業様が多くいらっしゃいます。もちろん、間違いではないですが、紙の地図がデジタル地図になっただけでは、費用対効果が合わないことにもなりかねません。GIS導入により、想定したメリットがどのくらいの範囲で、どのくらいの付加価値を生み出すか、事前にチェックしておきましょう。

このような表でまとめるといいでしょう。

メリット影響範囲削減コスト優先度
訪問計画を効率的に立てられる
顧客に正確な到着時間を伝えられるので再訪問が減る
・・・

このように整理しておくと、今後、導入にあたってのネックが出てきた際、どの機能が必要でどの機能は諦められるかを考える目安にすることができます。

2.必要なものは揃っていますか?

続いて、GISを有効に活用するために、準備しておきたいことを確認しましょう。開発するGISについて、こちら3点が揃った状態でないと、想定した目的が達成できないことになります。

GIS機能/GISエンジン
業務に必要なデータ/ユーザデータ
背景地図

これらには選択肢があります。特徴を抑えて開発するGISに最適な選択で賢く開発を進めていきましょう!

それぞれ詳しく見ていきたいと思います。

①GIS機能/GISエンジン

GISでは、位置情報を可視化する/位置情報を操作する/位置情報を調べる(位置情報を検索する、2地点間の距離計算や任意範囲の内外といった空間的な計算)/等を行うことができます。GISを業務で使うとは、こういったGIS機能を使いこなすことです。そして、GIS機能はカンタンに導入するためにGISライブラリー(一般的にGISエンジンと呼ばれます)が提供されているので、開発するGISではGISエンジンを使用して効率的に開発を行うことができます。

ここでGISエンジンをネットで調べるとそんなに数は多くはないです。選択はカンタンそうですが、選択によって導入や運用のコスト、GIS機能の詳細は相違しますので注意してください。
GIS機能を比較しようとすると、GIS的な専門用語も出てきますので大変かと思います。ただ、業務系のGISであれば、必要なGIS機能の多くは大方どんなGISエンジンも具備していると思って良いです。そうすると、GISエンジンなんてGIS機能が使えればどれも同じとなりますが、ここで、選んだGISエンジン次第ではアプリケーション開発に苦労しますのでご注意ください。

機能的には、地図描画のスピードが遅くて不満となることもあります。また、GISエンジンの活用スキル習得に想定以上の時間を要してしまった。。。提供元に問い合わせをしても満足のいく答えを得られなかった。。。ということも耳にします。わかりやすいGISエンジン、使いやすいGISエンジンを選ぶことをおススメします。

②業務に必要なデータ/ユーザデータ

顧客リストは業務に必要なユーザデータです。顧客管理システムをGIS化する!ならこの顧客リストを地図に恬として表示することからはじまるでしょう。ただし、顧客リストをそのまま地図にプロットしようとするとうまくできないことが多いです。なぜならGISでプロットするには、地図の”どこに”を示さなければなりませんが、”どこ”を示すためには住所ではなく、よく使われるものは緯度経度です。顧客リストで管理している住所に対応する度経度を取得しなければなりません。

マンパワーがあるならGoogleマップを利用できます。Googleマップで顧客を探してマップ上の該当箇所でクリックです。お客様毎に緯度経度を取得できます(この方法は、できないわけではありませんが。。。大変すぎます)。
このようなときはGISエンジンを使ってください。GISエンジンの住所-緯度経度変換機能(ジオコーディングといいます)があれば住所を使って緯度経度を取得することができます。

顧客管理システムだけではなく、住所を持ったリストはたくさんありませんか(持っていますよね)?住所を持っているデータはGISエンジンにより簡単に地図上にプロットできるので、必要なデータは意外とたくさんあります。
また、GISエンジンでは線(例えば配達経路)や面(例えば営業エリア)のデータを取り込むこともできます。業務に必要なデータを取り込む方法はGISエンジンに任せて、必要なデータを洗い出し躊躇なく取り込むことをおススメします。

③背景地図

GISでは、住宅地図の上にユーザーデータの地図を重ね合わせることができます。この住宅地図のような地図のことを背景地図といいます(背景地図は使いやすい地図として、ユーザデータの位置を把握しやすくするものと考えていいでしょう)。

ここで背景地図に使える地図には、GoogleマップやOpenStreetMapといったインターネットで利用するオンライン型の地図もあれば、建物の表札にこだわったゼンリン住宅地図のようなオフライン型の地図もあります。またPCで利用、スマートホンから利用等のデジタル地図の使用方法も関わってきますので注意しましょう。また、これらの背景地図は商用利用時には費用が必要となることありますし、使用料も買切型や使用料型、従量型等さまざまです。

お客様が背景地図で利用したいのはどういった品質が必要でしょうか?

必要以上に詳細な地図を使って高コスト化したということも耳にしますので、コストと運用形態を考えて背景地図を選ぶことをおススメします。

澤田
澤田

こちらでは取り上げられなかった他の要素もあります。ご自身の検討中のGISについて、チェックしておきたいと思われた方はこちらをご活用ください。

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3.開発工数はどのくらいに抑えますか?

最後にこの記事を通して最も覚えておいてほしいことを書きます。

業務で使うGIS開発とは、開発される業務システムにGISエンジンを使ってGIS機能を統合させることと考えるとわかりやすいでしょう。業務で使うGISとは、業務に合った使いやすい地図を眺めることで業務の効率化を図るものです。使いやすい地図とはユーザデータをGISエンジンを駆使して取り込み、背景地図上で眺めるものです。

もうお気づきと思いますが、GIS開発をするにはGISエンジン選びが最も重要な選択になります。選んだGISエンジン次第で開発工数は変わってきますよ。

GISエンジンのメーカー/ベンダー選びのポイント

GISエンジンのメーカー/ベンダーの数は少ないですが、それぞれ特色があります。取り扱っているGISエンジンには外国製のもの、自社内で100%開発をしているもの等々、さまざまなパターンがあります。また、GISエンジンは実質的なGISエンジンだけで提供されることはなく、GIS SDK(Software Development Kit)として、GIS開発に必要なツール一式(GISエンジン、ヘルプドキュメント、コード サンプル、ガイド等)で提供されます。

SDKとは言っても、そもそも扱っているGISエンジンによるところが大きいので開発者にとっての満足度は違います。SDKに含まれるヘルプやテクニカルサポートの内容は差となって表れてきます。

少々抽象的なコメントでしたが、はじめてのGIS開発をする際は、開発リスクを軽減できるGIS SDKを選ぶことをおススメします。GISエンジンのメーカーのGISエンジンの開発経緯やサポート体制、そして地図データに対する知見を調べておくと良いでしょう。また、GISエンジンにこだわるより”良いサポート!”を重視すると良いと思います。


今回は、デジタル地図の導入検討にあたり、押さえておくべきポイントをまとめてみました。

澤田
澤田

究極を言えば、ややこしい地図データ(ユーザデータや背景地図)に関することは、GISメーカー/ベンダーからの提案を受けて解決し、本来の目的のGIS開発に専念できるようにしていきましょう!

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