大学で教えてました「GISとは?」

入山、澤田って誰?

上記記事でも紹介してますが、当方は豊橋市にある愛知大学の地域政策学部で契約教員をしてました。地方自治体職員であった当方が、なぜ教員に至ったかはGIS(地理情報システム)が大きく関わっていました。そして現職でもGISに関わっています。ここ十年のGISに込められた期待値が当方のこの十年だったなぁと思っています。

今回は大学で教えていたGISのことを投稿します。

地域政策学部とは?

愛知大学の地域政策学部は「地域を見つめ、地域を活かす」をモットーに、現在の社会問題に取り組む学部です。少子高齢化や産業構造変化などにより変化する地域社会を見据え、課題発見・解決する「地域貢献力」ある人材を育成するところと考えて大方良いと思います。

地域政策とは、地方自治体が地方自治のもとでおこなう地域政策を地域にあった形で立案するというところでしょうか?愛知大学の地域政策学部は地域を知るために、フィールドワークをしたり、統計調査から得たデータを取得し、その分析にはGISも活用し、その結果をまちづくりに活かした政策を立案することに特徴があった学部であったと思います。

なぜ、GIS指導の教員に?

そうしますと、地域政策を目的に取得したデータをGISで分析することを実際に講義して学生さんにできるようになってもらわなければなりません。地域政策を知っていて、GISを(それなりに)使える人が講師として必要となるわけです。そこで地方自治体に勤務し、GISについて勉強中であった当方にも教員公募されていると教えていただきました。

当時は地方自治体で企画課に在籍しており、財政、統計、各種計画立案等に従事してました。財政では、幅広く役場の仕事を把握しなければならない立ち位置でしたし、さらに計画立案の根底となる地域状況を把握するためにGISを勉強中(愛大学にて一年間勉強する機会もいただいてました、ご縁です)でした。そしてGISに関心がとてもあったので一念発起で応募したところ、幸いにも採用されました。

地域政策とGIS活用

これ、契約教員のときに開講していた講義名そのままです。ちなみに、この講座は受講者は20名です。前期後期ともに開講して、40名/年が受講してました。学生さんには、まちづくりの課題に対しての解決への糸口を見出すために、GISで関連する社会現象の可視化や分析を行い、結果をもとに解決策を考察できるようになってもらう。要するに地域政策に必要なデータを取得してGISに取り込んで、高齢化や人口集中の状況を可視化できるようになる、つまり地域を見つめる力を養うための講義ですね。

SAWADA
SAWADA

GISは道具ですので、多少時間はかかっても誰でも使えるようにはなります。

講義で一番困ったのは、地域政策を掲げる学部であっても、若い人に地方自治体(市役所や町役場)の仕事に興味を持たせることだったと思います。学生さんに地域課題をリアルに感じてもらい、地方自治体が何をしているのか?本当に理解してもらうことは難しかったです。

(正直、自分も学生の頃には市役所なんて行ったことなかったです。市役所が何しているか?住民票をくれるところぐらいでした(笑))

実際に学生さんに説明した講義概要(シラバス)は以下の通りでした。

講義概要

近年、地域では少子高齢化、過疎過密、産業構造や環境などが大きく変化している。これに対し、地域の担い手としての行政は、生活を支える社会基盤や住民サービスを継続・向上するために、さまざまな施策を推進している。つまり、地域政策を考えるとき、社会基盤状況や地方自治体の行財政などを把握することは大切であり、地域の現状分析にあった“まちづくり”をしなければならない。これに対し、地域政策学部の理念は「地域を見つめ、地域を活かす」として、地域分析技能を基礎にした“まちづくり”を提唱しているところである。

そこで本講義は、地域を広域的かつ客観的に見るために地理情報システム(GIS)を利用した地域分析を行う。GISを利用するには、データに関しては、国土空間データ基盤として、位置参照情報である地図データと表形式である各種統計情報が整備されおり、また、地方公共団体などのGIS利用の状況を踏まえてのことである。さらに、データに関して、昨今はこれら以外にもGeoタグ付き写真やTwitterなどWebから収集できるソーシャルデータも、地域データとなる可能性があるため紹介をする。
また、GISは、地域分析の道具であるが、機能の複雑さなどからその利用を十分に行うには、システム的な理解を深める必要があるため、その仕組みについても説明する。

コンピュータ実習室での説明と演習により講義を進め、GISの説明や地域や行政に関する課題説明などに必要な資料を自作し説明してました。その後、課題に関係するデータを実際に取得して、GISで主題図を作成する演習を行ってました。これを何度も繰り返すような感じです。

なお、講義では当社のGISではなく、ArcGISを使ってました(笑)。

GISの活用どころ

高尚な目的はさておき、講義でやっていた作業は、地域のデータにオープンデータを利用したエリアマーケティングです。

  • 地域のデータはいろいろあって、いろいろなところから取得できるよ!
  • 膨大な情報量あるデータはGISで地図として整理するといいよ!
  • 整理された1つのデータをGISで地図として見ると地域性がわかるよ!(人口減の地域、高齢化進む地域等)
  • 2つ以上の地図を重ね合わせると現象に至った仮設を考察できるよ!(公共交通が無いから人口減等)

GISはデータ整理とデータの統合に使ってました。仮説検証に必要なデータをGISに取り込み、どんどんデータの種類を増やして、仮想的な世界を作っていくイメージです。

実世界をコンピュータ上で扱うためにGIS!
地域のデータのいろいろ

上図2つは当社HPより引用:https://www.mapquest.co.jp/whatisgis

地域にあった地域政策を立案することが学生さんの研究なので、考察を深めるための実世界のデータをGISを利用して整理整頓して再現し、GISの中で考察を深められるようにしていたわけです。

まとめ

当方に影響を与えたGISについて、利用される理由やどのように使われているのかの一端を紹介いたしました。今回は、地方自治体の課題解決ということで、地域政策をキーワードにしましたが、皆様のなかの課題は、営業をされる方にとっては、売上に繋がる営業先探しや巡回ルートの効率化、流通を担う方にとっては、仕入先や取引先の配送流通経路の効率化等々、さまざまであると思います。

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