シカの分布予測をMaxEntを使ってやってみた 後編

前回に引き続き、MaxEntというプログラムを利用してシカの生息分布を求めてみます。
↓前回の記事はこちら。

4. その他環境データの作成

前回作成した植生分布の3次メッシュの他にも、以下の環境データをオープンデータから作っていきます。
(※作り方については省略)

  • 標高
  • 傾斜度
  • 年降水量
  • 平均気温
  • 道路の幅員
  • 土地利用細分

いずれも国土数値情報に3次メッシュデータとして公開されているので、植生分布と同じく愛知県の範囲を切り出していきます。

しかし、こうしてみると分析に利用しているデータは確かに野生動物の生息分布に影響していそうなものばかりですが、シカの分析に使えるのかというと、素人には判断がつかないですね。別のパラメータを使った方がシカの分布推定には良いってこともあるかもしれません。。。対象の生態について詳しい方がより精度高く分析できるのは間違いなさそうです。

とはいえ、上記のパラメータがシカの生息分布に影響を与えてない、ということはないでしょう。このまましかの分析を続行します。

5. 環境データをASCII形式のラスタファイルに変換

ここまでの作業で、シカの在データ(CSV)と環境データ(3次メッシュ)が揃ったわけですが、これで分析ができるかと思えば、実はもう1つ作業が必要です。MaxEntは環境データをASCII形式のラスタデータとして読み込むため、それぞれの環境データをラスタデータに変換していきます。作業自体はQGISを使えば簡単です。

ベクタデータから
ラスタデータへ変換
左上から順に標高、傾斜度、降水量、平均気温を表すラスタデータ

なお、各ラスタデータの解像度、および出力範囲はそろえておく必要があります。

6. MaxEntによる生息分布推定

環境データの準備に手間取りましたが、ようやくこれでMaxEntを使って分析ができます。

MaxEntの使い方は非常にシンプルで、「Samples」に在データのCSVを、「Environmental layers」に環境データのラスタファイルを指定して「Make pictures of predicions」にチェックが入った状態で分析を実行します。これにより分布予測が画像として出力されます。

今回、出力されたシカの分布予測はこんな感じになりました。

大体予想通りですが、新城市や設楽町あたりにシカが多く分布しているとの予測。なるほど、なかなかの精度では?一応、やるシカない!で公開している予測データと並べてみてみると…

やるシカない!側のメッシュが荒すぎてあまりいい比較になっていませんが、シカが多いとされるエリアは概ね重なっているように見えます。結果としては悪くないですね。

所感

MaxEnt、データの準備は少し大変ですが、得られる結果はそれなりに信頼できそうなものでした。今後の獣害対策プロジェクトに導入を検討してみようかと思います。

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