オープンデータを使ってリベンジ

この記事の失敗をリベンジします

オープンデータを使って失敗したお話

4月28日に投稿した記事では、必要なデータがないデータを取得してしまい失敗しました。
森林に関して営業活動をしている当方は、現在の愛知県の森林状況を把握したいと思ってます。そこで「愛知県のオープンデータカタログ」から「土地利用現況(平成25年度)-山林」を取得して、デジタル地図で把握をしようと作ってみました。でも、このデータには「名古屋市がない」「山間地域がない」とデータが欠けていました。目的達成としては残念なものでした。詳しくは上記記事をご覧ください。

今回はまだまだ使えそうなデータはあるはずなので、それらを調べてからリベンジをしようと思います!

目的達成できるオープンデータを探します

新たなデータを探してリベンジ!とググっていていると「国土数値情報ダウンロードサービス」に辿りつきました。国土(水・土地)/政策区域/地域/交通/各種統計と大きく分かれていて、かつ範囲も全国を網羅しているので使いやすそうです。

このサイトは実は、前に大学教員時代に講義で取得したデータを”地域データ”として、GISで地域分析する指導をしていましたので知っていました。ただ、データの【データの使用許諾条件】が厳しいイメージで「商用可」ではなく「非商用」として制限されるものが多く、講義では使えても企業活動の中では使えないと使いませんでした。

SAWADA
SAWADA

ちなみに実用日本語表現辞典 で商用利用を検索すると、【営利目的で利用すること。その資源を二次利用したり、販売チャネルとして用いたりすることで、利益を得ること。「商用利用」とも言う。】となってます。なお、著作権法35条1項は以下の通りです。

学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、公表された著作物を複製し、若しくは公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。以下この条において同じ。)を行い、又は公表された著作物であつて公衆送信されるものを受信装置を用いて公に伝達することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該複製の部数及び当該複製、公衆送信又は伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。


ややこしいですね。個人的な見解として「対面授業」「授業の過程における利用を目的」「必要と認められる限度において」という範囲であれば「非商用」と思うので講義では使ってました。

しかし、よく見てみると・・・「商用可」のものもあります

○標高・傾斜度3次/4次/5次メッシュデータ
○低位地帯データ
○土地利用3次メッシュデータ(平成28年度は条件あり)
○土地利用細分メッシュデータ(平成28年度は条件あり) など

SAWADA
SAWADA

以前に比べて「非商用」から「商用可(適用する利用規約に基づくオープンデータ)」のものが増えている気がします。国土数値情報は【地形、土地利用、公共施設などの国土に関する基礎的な情報をGISデータとして整備したものです。そのうち公開に差し支えないものについて、「地理空間情報活用推進基本法」等を踏まえて無償で提供しています。】とあるように、オープンデータとして活用することが推進されたのかな?とも思います。

「土地利用現況(平成25年度)-山林」の代わりに使えそうなものは・・・

「商用可」で森林の状況を把握したいなら、「土地利用3次メッシュデータ(平成28年度は条件あり)」「土地利用細分メッシュデータ(平成28年度は条件あり)」は名前から使えそうですね。今回は”森林”を把握したいだけですが、田/他農用地/森林/荒地/建物用地/道路/鉄道/他用地/河川湖沼/海浜/海水域/ゴルフ場がメッシュごとに面積として集計されています。いろいろと使えそうです。ただし、整備年度により集計項目が異なることもあるそうなので要確認です。

ちなみに、「森林地域(ポリゴン)」という喉から手が出るほど使いたいデータは使用許諾条件は「非商用」なので手は出さないでおきます。

土地利用3次メッシュデータを使ってみます

すでに”メッシュ”という言葉を使ってますが、ここでメッシュについて簡単に説明します。正式には”地域メッシュ”といいます。これは”緯度・経度に基づき地域を隙間なく網の目(メッシュ)の区域に分けて,それぞれの区域に関する統計データを編成したもの”です。

1次メッシュは1辺を約80㎞、2次メッシュは1辺を約10㎞、3次メッシュは1辺を約1㎞として区切ったメッシュのデータ(基準地域メッシュともいいます)となります。ここまでを標準地域メッシュといいますが、さらに基準地域メッシュを細分化した2分の1地域メッシュ、それをさらに細分化して4分の1地域メッシュ8分の1地域メッシュとどんどん細分化されていくイメージです。

詳しくは以下のリンクも見てください。

データのダウンロード

基本的にはデータから必要なデータをダウンロードするだけです。このなかで「このデータの使用許諾条件」等を確認したり、座標系や属性情報等を見て役立つデータであるかを判断していきます。使用許諾条件で「商用化」であることは確認できますね。さらに、そのなかで最新の平成26年度をダウンロードします。

※座標系の説明は割愛しますが、最近のデータであれば「世界測地系」を基本的には選択しておけばよいです。

なお、ページの最下部には「【注意喚起】平成9年度の1次メッシュ4929、4932、5134、5135、5136、5137、5333について、細分メッシュデータからの集計を誤ったとみられる3次メッシュのデータが存在するので、上記1次メッシュは利用せず、細分メッシュデータを利用して下さい。」とのこと、3次メッシュなので大丈夫ですが、こういったこともあるんですねW。

ページ途中には以下のような日本地図で必要なメッシュを指定できます。今回は当方の営業活動範囲の中心である愛知県を表示したいので4つのメッシュ(5136/5137/5236/5237)を選択して4つのファイルをダウンロードです。

ダウンロードしたデータの表示

ちなみに以下のデジタル地図の作成はQGISを使ってますww

①背景地図にオープンストリートマップ、ダウンロードしたデータを表示します。データが無事に地図上に表示されていて、ひと安心です。

②地域メッシュで取得したのは4つのデータですが、デジタル地図上ではマージして一つのデータとして扱う方が、設定等が一つの済むのでデータをマージしました。そのうえで、マージしたデータを表示した階層について、属性「森林」で11段階に分けてその値が多くなるほど緑色が濃くなるように設定しました。

上記、地図は以下を株式会社マップクエストが取得し加工したものです。
<地図データ>国土数値情報(土地利用3次メッシュデータ)(国土交通省)(2022年5月6日取得)

https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-L03-a.html

まとめ

前回記事では、提供されたオープンデータの名前「土地利用現況(平成25年度)-山林」だけを信じて使って失敗しましたが、今回は営業活動のために「地域の森林状況を把握する」は達成できた感じで、無事リベンジです!
データの使用許諾条件を知っていれば・・・でした。

デジタル地図には地図データが欠かせません。データを購入することもありますし、オープンデータも活用できます。デジタル地図を使って、知らない地域の土地勘を持てば営業活動に役立ちますよ!

最後に豊橋市近郊の状況です。

今回は、シンプルにダウンロードしたオープンデータをデジタル地図として表示しただけでしたが、昭和51年度、昭和62年度、平成3年度、平成9年度、平成18年度、平成21年度もあるので、さらに経年変化も把握しておくと、現場の人たちとの情報交換に役立つと思います。あわせて市町村の財政状況も把握すれば訪問準備はおおむね終了ですね!

面白かった方や参考になった方も是非「イイね」お願いします!

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