以前に国勢調査の結果を使って地図を使って地域を眺める記事を記載しました。国勢調査は日本に住んでいるすべての人を調査する5年に1回しか行われない貴重な調査ですので、使い倒さなければです。
今回は、2021年11月30日公開の国勢調査結果のデータ「住宅の所有の関係,住宅の建て方・世帯が住んでいる階別一般世帯数-全国,都道府県,市区町村」を使って「持ち家率」を見てみましょう。
「持ち家率」を地図で見る
持ち家に住んでいる世帯を都道府県単位で色塗表現してみました。作り方は行政区域データを都道府県の地図データへ加工し、統計表も県別になるように加工してます。いつも通りのやり方です。
都道府県別にを色が濃いほど持ち家に住んでいる世帯が多い県です。日本海側の東北が多くて、南下して岐阜を通って紀伊半島へという感じでなかなか特徴的ですね。
移住者が多い地域、つまり都市部が多そうな都道府県は、持ち家の割合は低いと予想しましたが、そこは見込み通り。ただ、濃い色の都道府県の理由は正直分かりません。みなさんはこの地図を見てなにを思うでしょうか?
統計データを地図を見ながら見ると、簡単に状況が把握できることが分かっていただけると思います。
上記、地図は以下を株式会社マップクエストが取得し加工したものです。
<属性データ>
e-Stat 統計でみる日本(国勢調査 令和2年国勢調査 人口等基本集計 (統計表:住宅の所有の関係,住宅の建て方・世帯が住んでいる階別一般世帯数-全国,都道府県,市区町村) 2020年10月)(総務省統計局)
2022年1月28日取得
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200521&tstat=000001136464&cycle=0&year=20200&month=24101210&tclass1=000001136466&stat_infid=000032142552&tclass2val=0
<地図データ>
国土数値情報(行政区域データ)(国土交通省)
2021年11月25日取得
https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N03-v2_3.html
このデータの活用方法として、不動産屋さんがチラシをポスティングする際に、一戸建て向けのチラシなのか?マンションのチラシなのか?の参考資料になりそうですね。一戸建が多い地域には一戸建のチラシですし、共同住宅が多い地域ならマンションのチラシという具合です。
ただ、不動産屋のポスティングからすると、県単位でなく市区町村単位へと細分化する必要はあります。ちなみに今回のデータには市区町村別も収録されていましたので可能です。ただ、加工作業が多すぎるので割愛しました。
今後の国勢調査結果の公表予定
令和2年国勢調査ではありますが、調査結果の公開は以下のようにまだまだ続きます。次は2022年5月の就業状態等基本集計集計ですね。その後は従業地・通学地、移動人口が順次公開されます。そして最後は集計単位を細分化した小地域集計です。様々な統計表が順々に公開されていきます。
マーケティングデータにも使えそうな就業や移動に関する集計は、この先ですね。
まとめ
今回の地図、以前にも表示した高齢化の地図、これらを併せて見るともっと多くのことを考えることができると思いませんか?国勢調査結果として多くの統計表はありますし、国勢調査以外にも多くの統計調査は行われてます。さらには、たくさんのオープンデータもあります。これらを併せて見ることで、みなさんの分析への根拠となって説得力も増すのでは?と思います。
ただし、このような具体的な目的で統計データを眺めようとする時は、データ加工も必要なのでそんなに単純ではないことも多いです。大きく見て全体像を把握して、気になることはドリルダウンをして確認する。それを繰り返すことで分析に厚みが出ます。つまり、地域を細分化してその地域に多い世帯構成や年代や職業等々もあわせて見ることが、総合的に判断することです。
総合的な判断をするには?
「関連しそうな見たいデータを集めればいい、そうすれば総合的な判断はできる」です。ただ、言うのは簡単ですが、取り掛かかってみると困ることも出てきます。それはデータの管理と同時にどれだけデータを見ることができるか?データが増えれば増えるほど同時に見ることは難しいです。
解決へのポイントは「多くのデータを何を基準に串刺しにするか?」ということと考えてください。
そんなとき役に立つのがGIS(地図情報システム)です。GISでは位置情報を基準にデータを表示しますので、地図上で重ね合わせて俯瞰できます。GISを活用すれば、たくさんのデータであっても、一つの地図で一括管理しながら眺められるので思慮を深めることができます。