「保守は高い」という前に

保守って必要なの?

当社は創業して30年を超えており、GIS一筋でお客様に支えられてまいりました。多くのお客様は、地図を使った業務システム(GIS)の開発を支援する「ソフトウェア開発キット(SDK)」のご利用いただいております。いっぽう、直接お客様からお仕事の悩みを教えていただき、課題解決をGISにより提供させていただくこともあります。お客様のご支援には大きく2つあるわけですが、ともに最大限にそのサービスをご活用いただくため、年間サポートサービス(当社の場合はソフトウェア保守)をご用意し、当社GISを知り尽くしている開発者が、技術面のみならず使用面までサポートをしています。

Mapquest
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※ソフトウェア保守とハードウェア保守
ITシステムはハードウェアとソフトウェアを両輪としてご利用いただくものですので、万が一に備える保守サービスも細かく見れば、「ハードウェア保守(運用環境に合わせてハードウェア点検、障害復旧等を行う)」と「ソフトウェア保守(ソフトウェアの障害対応やバグの発見、機能改善等を行う)」に分けることができます。そして保守サービスでは、この2つをともに提供するものもあれば、どちらか一方の場合もあります。

いろいろな組み合わせはあるにしても、構築したITシステムが完全だということはあり得ませんし、障害・トラブル等に対応し、再発しないような改善をすることが保守の役割です。ITシステムを安定稼働するうえでは「ハードウェア保守」「ソフトウェア保守」はともに維持されていることがとても重要です。

ある日突然「動かない。。。」とならないために

※以下はソフトウェア保守の観点です。

ソフトウェアを利用し続ける難しさ

2021年9月21日の記事「ソフトウェアの老朽化」にも関連しますが、システムのソフトウェアの前にOSやブラウザ等の運用環境、販売購入形態等によっては保守を継続しがたくなることもあります。ただ「とりあえず利用しているが使い続けられる保証のないシステム」に心当たりがあるようでしたら、早めに手を打つことが大切です。業務を支えるITシステムが突然動かなくなってしまってからでは遅いですから。。。

保守が切れてしまった保守契約であっても、まずご相談することをお勧めします

通信設備管理GISをご提供していた販売会社様の手違いで保守更新が滞り、年間保守サービスを更新することなく、数年間にわたり「とりあえず利用しているが使い続けられる保証のないシステム」をご利用していたお客様の事例です。

このお客様は「通信設備管理GISを利用しているPCは古くなったので買い換えたい。蓄積してきたデータは大切なので新しい環境へ移行したい。システムはWindows10のPCでも動きますか?」を確認したいとのことでした。販売会社に問い合わせたところ、担当者は退職しており対応は難しく。。。という状態でした。また、通信設備管理GISの運用は”現場”で使われており、こちらの当時の担当者もシステムのことはよくわからない。。。開発元にたどり着いたので何とか対応してほしい。。。。

いろいろなことが重なったとはいえ時の流れは恐ろしい

残念ながら、約20年以上前に導入したシステムであったので、当然Windows10に対する動作保証をすることはできません(年間保守サービスを継続していれば、システムアップグレードのご案内が適宜行われますので、Windows10対応へ計画的に対応できました)。

営業として、まずは当時ドキュメント探しましたが、残念ながら年間保守サービスが非継続となった以降のシステムの運用状況がわからないのでドキュメントは意味がない。そこでお客様のところに出向き、運よく稼働中の通信設備管理GISを借用できたので、借用のうえ当社技術者がシステムを分析することができました。結果的に利用している機能を Windows10 対応をする新たな通信設備管理GISを開発させていただきました(データ移行も行いましたが、これまで蓄積してきたデータの解析はあり大変苦労しました)。

新規開発やデータ移行に費用はかかったものの、”要件定義は”古いシステムの通り”、”データ移行もヒヤリングなしで移行後のデータを使う”として対応が、これは運が良かった事例だったと思います。

「とりあえず利用しているが使い続けられる保証のないシステム」 であっても、心当たりのある関係者にはご連絡を取ってください。今までのことはさておき、これからどうするのか?の提案がされるときもあります。


ただ、こんなことにならないように、年間保守サービスの更新をお願いいたします。

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